2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ひとしずく。その31

僕の手帳には絶えず数枚のテレカが挟んである。毎年手帳を更新するたびに、テレカは新年の手帳に移るわけで、かれこれ干支をひと回りした気がする。使わないのに捨て切れないテレカ。 公衆電話はその昔、10円で無制限だった。10円で3分打ち切りとなったのは1…

ひとしずく。その30

誰にでも好き嫌いはある。それが食べ物であっても、人物であっても、その他何事であっても。 僕の場合、好きなものは多過ぎて書きようがないけれど、嫌いなものなら、それほど無いからスラスラ書ける。食べ物だと、味の濃い佃煮、肉の脂身、トリの足、甘いも…

ひとしずく。その29

僕は、子どもの頃から漫画がそれほど好きではなかった。息吹を感じない無機化合物のようなものも好きではなかった。だから、友だちが熱を挙げる『鉄腕アトム』なんか見る気もしなかった。長じてテレビ界に入り、手塚治虫さんとは毎週一度、対一で付き合う仕…

ひとしずく。その28

小学六年時のクラス会を、僕たちは飽きもせず毎年やっていた。それが昨年途切れた。永久幹事を買ってくれていた奇特な御仁が、急逝してしまったんですな。これで今年72歳となるジジババは霧散し「再会の場は冥土だろう」と思っていたら、いやはや、道の霜…

ひとしずく。その27

今朝の散歩は、うっすら積もった雪の中。見上げれば居待月あたりだろうか、煌々の明るいお盆が浮かんでいたです。七十男の脳裏に浮かぶのは〈月+雪=酒〉という図式。だからランチは妻を誘い、しゃぶしゃぶで一杯やって来たですよ。 …で、いま帰宅して考え…

ひとしずく。その26

日の出午前6時50分。一番遅かった時間から2分早まった。毎朝5時半からの散歩は星の中だったが、あと10日もすれば、帰宅時には朝焼けの兆しを感じることになりますなあ。暁は荘厳ですよ。電気の無い時代、太陽を神と仰いだ昔人の気持ちが、無宗教ぶる…

ひとしずく。その25

きのう、人形浄瑠璃を観に行った。近松作品『こもち山姥』を下敷きにした創作三部作。足柄山の怪童丸が坂田金時に成長するまでを描く。「足柄山の段」を中学生、「下鴨神社の段」を高校生、「金時誕生の段」を相模人形芝居下中座が演じるという興味深い構成…

ひとしずく。その24

毎年、松が明けると机上を整理する。筆、硯、顔彩、印泥などを片づけ、頂いた年賀状や古い日記帳などを仕舞う。 賀状を仕舞いがてら見直したら、面白い傾向が浮かび上がった。宛名書きは別にして、一語の肉筆も添えられていないものが24%あり、そのほとんど…

ひとしずく。その23

新年の電車に乗ったら、車内はどこもピコピコだらけ。連れ立っていると思われる若者たちでも、それぞれが、小さな画面での遠隔会話に没頭している。僕のブログについてわが娘が「もっと明るいことを書け」と言って来たけど、新年からこんな光景を見せられた…

ひとしずく。その22

この10日間程、神さまたちから距離を置いた生活でしたなあ。キリストさまのときは、ケーキも七面鳥も食べず妻と静かに酒を飲み、大つもごりでは仏さまの梵鐘も撞かず其の音も聴かずに、勿論勝った負けたの馬鹿騒ぎも観ず妻と静かに酒を飲み、明けて今朝は…