ひとしずく。その26

 日の出午前6時50分。一番遅かった時間から2分早まった。毎朝5時半からの散歩は星の中だったが、あと10日もすれば、帰宅時には朝焼けの兆しを感じることになりますなあ。暁は荘厳ですよ。電気の無い時代、太陽を神と仰いだ昔人の気持ちが、無宗教ぶる僕にも、ウム、理解できるんです。
 しかし、その時間の寒さは厳しい。昨日はマイナス6度。寝起きの良い日は凛とするけど、二日酔いだとムンクの『叫び』になってしまう。
 午後の散歩も日課の一つ。自宅から3キロも行くと田園が広がり、この時期から僕はソワソワし始める。ロウバイオウバイはすでに咲いているが、間もなくサンシュユやウメも咲き出すからねえ。
 見逃せないのは足元の雑草。畔の南斜面では、早くもオオイヌフグリホトケノザなどが可憐にチラホラ。現役時代は見過ごしていた花たちですぞ。立ち止まってしみじみ見ると、生きていることの有り難さが実感出来て、亡きおふくろに「ありがとーっ!」と叫びたくなるですよ。
 そこで今日のひとしずく
『急ぐ者は雑草の美しさを知らない』