ひとしずく。その25

きのう、人形浄瑠璃を観に行った。近松作品『こもち山姥』を下敷きにした創作三部作。足柄山の怪童丸が坂田金時に成長するまでを描く。「足柄山の段」を中学生、「下鴨神社の段」を高校生、「金時誕生の段」を相模人形芝居下中座が演じるという興味深い構成だった。下中座の座長さんが僕の友人の奥さんであるという縁あっての観劇だったが、出掛けた甲斐は充分にあった。
 人形浄瑠璃は、義太夫、三味線、人形遣いの三位一体芸術であり、そのうちの人形一体に関しても、頭と右手、左手、足を三人で操る三位一体芸術。つまり、幾重にも息を合わせなくては生み出せない芸術なんですねえ。
 そんな協調芸術に中学生、高校生が懸命に挑んでいる。千秋の芸術に、じっくりとした心で挑もうとする少年たちに、僕は拍手喝采です。
 そこで今日のひとしずく
『じっくりとした心の眼にしか、ほんとうの花は映らない』