2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『姉さんかぶり』

『姉さんかぶり』 掃除はもとより、洗濯、裁縫、綿入れ仕事…と、家事全般にがんばる〝主婦の勤労帽〟とでも言うべき「姉さんかぶり」。その姿を見るにつけ「ああ、働くお母さんっていいな」─みたいな気持ちが無意識の中で、誰の心にも蓄積されたと思う。 「…

『焚き火』

『焚き火』 ♬垣根の垣根の曲がり角 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き♬ 教科書にも載っていた童謡の『焚き火』。焼き芋を焼いたり栗を弾かせたり…と、初冬の焚き火は子どもたちに暖を取る以外の楽しみも与えてくれた。 屋外で働く大人たちの多くも、冬場は焚き火…

『ラムネ』

『ラムネ』 独特の形状をしたラムネは、見た目もいいし手触りもいい。飲んでも清涼であるところから、長らく夏の風物詩として親しまれた。 イギリスで開発されたこのビン密閉方式は、ビンも栓もすべてリサイクルに回せるリターナブル容器(再利用)。地下鉄…

『竹とんぼ』

『竹とんぼ』 ぼくたちの筆箱には、大抵〝肥後の守〟と呼ばれる小刀が入っていた。鉛筆を削るためだが、遊びにも使った。竹笛、割り箸ピストル、弓、パチンコ、ザリガニ釣りの笹竿…と、遊びの道具づくりに肥後の守は欠かせなかった。 竹とんぼも作った。竹を…

『紙芝居』

『紙芝居』 紙芝居は、トーキー映画の出現で活弁の職を追われた弁士たちが生み出した日本独特の演芸である。 ぼくたちのホームグラウンド(遊び場=神社の境内)には、毎日二人の紙芝居屋がやって来た。一人は拍子木で子どもを集め、もう一人は太鼓で集めた。…

『置炬燵』

『置炬燵』 寒い冬も、ぼくたちは外で遊んだ。遊んでいる時も寒かったはずだが、厳寒の記憶はあまりない。躍動の遊びに夢中だったこともあるだろうけど、どこへ行っても全館暖房など無い時代。ある程度の寒さには慣れっこだったということだろう。 それでも…