2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆっくりの奨め

上尾の自宅から最寄り駅まで約二キロ。現役時代の通勤は、当初妻の車による送迎に頼っていた。しかし、好きな酒を好きに飲んだ日まで深夜の迎えを請うのは、マナーに欠けて心地よくない。そこである時点から、駅までを自転車に切り替えた。結果としてそのこ…

ヘビの話

散歩道の成仏ガエルやモグラなら、瞬時に跳び越えられるからいい。困るのは、くねっている大きくて長いヘビ。アオダイショウの親分格は最大二メートル。そこまで大きいのとはまだ遭遇していないけど、跳んだ先の着地点にまで潰れた頭が繋がっていることがあ…

顔のある散歩道

六月の梅雨入りから秋の長雨まで、僕の散歩道は混雑する。…と言っても、人で混み会うわけではない。足の踏み場を求めて、ピョンピョン飛び跳ねながら歩く状況が生まれるという意味。 路面を占拠しているのは、カエル、いも虫、ヘビ、モグラや、食用のエスカ…

魔物の森に迷い込む

ここ何年と、自身に一日一万歩の散歩を課している。森や林や草原は同じルートを辿ろうとも、天然・自然の色香諸々移ろいの中だから、同じ花でも日々新たな顔で接してくれる。それゆえ不満はないのだけれど、浮気の虫というやつだろうか、ときに余所の女…では…

運のいいやつ

かつて報道局に在籍中、僕は多くの先輩を失った。高木カメラマンと日下記者は、ベトナム戦争の中で散った。国会担当の緩利記者は、連日連夜の夜討ち朝駆けで疲労を溜め込んで散った。村上カメラマンは遭難船の取材に出たまま、セスナ機と共に海に消えた。佐…