『ラムネ』

『ラムネ』
 独特の形状をしたラムネは、見た目もいいし手触りもいい。飲んでも清涼であるところから、長らく夏の風物詩として親しまれた。
 イギリスで開発されたこのビン密閉方式は、ビンも栓もすべてリサイクルに回せるリターナブル容器(再利用)。地下鉄漫才ではないけれど、飲むたびに「このビー玉、どうやって入れたんだろう?」と不思議に思った。またその〝不思議感〟が、ラムネの味に一層の魅力を加えてくれた。
 ラムネビンのリサイクル回数は、一本平均二十五回だそうだ。でもそれって、いつの統計だろう? ビンの中でコロコロ転がるガラス玉を、昭和二十年代のぼくたちが飲み終わったからと黙って手放すはずがない。五円も出して買ったんだし。
 日本にラムネが初めてやって来たのは、全国清涼飲料協同組合連合会によれば、ペリーが浦賀に来航した時だそうだ。艦上で幕府の役人に振る舞ったのが最初。その時、栓を開けたポン!の音を銃声と勘違いして、役人たちは一斉に刀の柄に手をかけたというエピソードが残されている。
 最近は、キムチラムネとかカレーラムネとかもあるそうだ。なんだかな〜ぁ。