『ちょうちんブルマー』

『ちょうちんブルマ―』
 ブルマーとは、アメリカの女性解放運動家ブルマー夫人が考案した、裾口にゴムを通したズボン形式の衣服のこと。それを女子用体操着としたものが「ちょうちんブルマ―」である。だぶつきがあって、運動時の可動性を保つためにギャザーあるいはプリーツが付いていた。
 運動会には紅白の鉢巻をキリリと締めて、白いシャツに白い足袋(競争足袋とも裸足足袋とも言った)、穿いているのはちょうちんブルマ―。そんな女の子たちが、ぼくにはとても輝いて見えた。(男子は白い半ズボン。どうということもない)
 だけど「ちょうちんブルマ―」という言葉は、当時まだ無かった。単に「ブルマー」とか「体操着」だったと思う。「ちょうちん」が付いたのは、ぼくたち世代が成人してから。ニット製ブルマーが誕生し、それと区別するために、形状的な特徴からそう呼ぶようになったらしい。
 1969年の東京オリンピックでは、他国がショーツブルマーでプレイする中、日本女子バレーの〝東洋の魔女〟たちは、ダブダブ・スタイルとは言わないまでも、いわゆるちょうちんブルマ―で大躍動、金メダルを獲得した。