ひとしずく。その73

「体育の日に一杯どう?」という話が来たので、「金曜日は都合悪い」と返したら、「金曜日じゃない。月曜だぞ」と折り返された。(やつもそろそろボケ始めたか)と憐れみながら、一応カレンダーを確認すると、あれっ? 10月10日が赤くなっていない。(そんなバカな)と目を凝らすと、13日の月曜日が赤になっていて、そこに「体育の日」と記してある。ボケ始めていたのは当方であったか。
 調べたら、体育の日はもうかなり前から「10月第二月曜日」となっていた。僕は12年前から毎日が日曜日だから、「体育の日」の扱いの変更に気付かなかったのだ。
 それにしても…と、僕は憤慨した。成人の日に新成人が暴れるのは、かつては15日と決まっていたものが、誰かの都合であっちこっちにたらい回しされるようになったからだと僕は思う。特定日を持たない祝日を「人間が心身共に大人になる日」だと思えるはずがない。
 昭和天皇の誕生日はその後「みどりの日」になって、それが「昭和の日」に変わり、押し出された「みどりの日」は、祝日と祝日をつなぐ〝ポロ鉄のカスガイ〟みたいな扱いを受けている。何が「みどりの日」だか。立法・行政人の中に、緑の大自然に感謝している人が、一人として居るとは思えない。
 年ごとに日付が変わる海の日って何だ? 森羅万象の諸々を、勝手に人間がいじくっている姿しか目に浮かばんぞ。
 敬老の日も嘘っ八だ。敬老精神なんか国会議員の中に100%無いから、ハッピーマンデーの糞の足しにしちまっている。
 最早、成人にも、みどりにも、海にも、年寄りにも、体育にも、何に対しても、感謝の気持ちというものを、日本人の多くは失っている。「そんなもの、どうでもいい」と、国も、親も、先生も、かなり以前から思っていたものだから、それで育った子どももそう思い、その子も親になってそう子に教え、巡り巡って今がある。
 そこで今日のひとしずく
『経済効率を数値だけで追うバカ者が国を滅ぼす』