ひとしずく。その50

 知ってます? 日本人間ドック学会健康保険組合連合会健保連)の二団体が調査・発表した血圧に関する健康値を。従来の基準値では、『上が130以上、下が85以上』は何らかの治療を必要とする高血圧患者さん。これが『上は147以上、下は94以上』でなければ「健康ですよ。降圧剤なんて必要ありませんよ」って言うじゃありませんか。つまり、その数値の間に居た人たちは、病人から一気に健康体になっちゃった。
 それをヤンヤと喜ぶ人も居ようけど、僕だったら怒りますね。だって本来健康体なのに、『病人』と判定されて薬を飲まされ、気分は落ち込むし、薬代は払わさられるし、薬害は被るし…で、どえらい不幸を負わされていたことになるんですからねえ。
 そもそも2000年以前の基準値では『上は160以上、下は95以上』だった。それを『130と85』に変えたのは日本高血圧学会だと聞く。それもね、そうしなくてはいけない立派な調査・研究に裏打ちされていたというのなら、僕とて何ら申し上げることはございません。ところが、そんな調査・研究の類はなかったと聴き、ガクッ。膝の関節を痛めるほどの大衝撃ですよ。
 これで血圧患者がドッと増えた。誰が喜んだの? みんなそろって「くすり、くすり」。ヒラヒラ舞い出たのは、患者本人のものはともかく、健康体である国民皆さんのおカネですぜえ。
 元凶は総元締めの厚労省だなあ。診療報酬の不適切請求を見逃しているのも厚労省。諸々の薬害を放置・拡大させたのも、みんなのおカネをそっくり使ってしまって年金箱を空にしたのも、上げ連ねたらキリがない厚労省
 厚労省の幹部諸君。あなたたちが「そこまで言われる覚えはない」と仰るなら、「これこの通りこれこれで…」と、すべてを並べ立てて開き直れるかどうかやってみたらいい。
 行政の側からの「恨み言」や「泣き言」はいらない。ちゃんとやれば、国民は必ず納得するし評価もする。僕としては、期待はしないが、改悛を待つ。
 そこで今日のひとしずく
『マズッたら、狐だって反省する』