ひとしずく。その35

 大雪が明けた公園を見て少々驚いた。雪だるまが無いばかりか、子どもたちの足跡一つ無い。はて嘆かわしや、ここまでとは!
 僕たちが子どもの頃は、雪と見ればポチみたいにハシャギ回った。雪が無くても、寒かろうが暑かろうが、野人の如くに駆け巡った。女の子たちもワカメちゃんみたいに、パンツ丸出しでゴム飛びなんかに興じていた。今の子たちは門外不出じゃあるまいに、堅く締まった玄関の中。体力的に将来大丈かい?
 これ、子どものせいではないなあ。生まれたときからテレビがある世代。生まれたときから映像ゲームがある世代。あれば、そっちへ行っちゃうよね。
 僕らの世代は嬉しいことに何にも無かった。無いから存分楽しかった。
 心配は、今の子たちが僕らの年齢になったとき、体力的に楽しめるかということ。僕は今回、庭に孫と、大きな雪だるまを作った。「じじいが、バカみたい」なんて言っちゃダメ。おもしれ〜えよ〜う。
 そこで今日のひとしずく
『有る者は無い者より、真の宝が少ない』