ひとしずく。その20

 先日、所属する素人劇団の発表会があって、僕は語り部を演じた。じんべえにちゃんちゃんこに足袋姿。舞台の囲炉裏に坐り、薪を燃べ燃べ語ったですよ。
 囲炉裏は、僕の幼少時の疎開生活での心食の支え。ゆえに懐かしさを胸に抱いての演技であった。
 思えば、当時は囲炉裏も竈も風呂焚きも、すべてがモノを燃やすことから始まった。そしてまた、燃やすモノに不自由はなかった。例えば商品の包装。木箱、新聞紙、経木、もみ殻、おがくず、ボール紙…。すべてが燃えた。再生のきかないもので、燃えないモノというのが無かった。今はどうです?
 そこで今日のひとしずく
『便利という堕落に落ち込むのは、これ人間の証明